2011年のトピックス
御祥当報恩講
平成23年は宗祖親鸞聖人がお亡くなりになられて750回目の年でありますので、例年勤めております御正忌報恩講は御祥当報恩講として厳修いたします。11月21日から28日まで厳修いたしますので、50年に1度の「御祥当報恩講」にどうぞお参りください。
なお主な行事は以下の通りです。
11月23日(水) | |
午前10時 | お日中法要 婦人会連盟記念講演 法要に引き続き記念講演を実施いたします。 |
11月27日 (日) | |
午後1時 | 大逮夜法要 御祥当報恩講の期間中で一番大きな法要です。 御親教(ご門主のお言葉です) 複演 (ご法話) 御祥当報恩講 記念講演 |
午後7時 | 御伝文拝読 通夜勤行後に親鸞聖人の御生涯を説かれた御伝文の拝読があります。 |
午後8時より | 通夜布教 |
11月28日(月) | |
午前10時 | 満日中法要 親鸞聖人のご命日に当たる大切な法要です。 |
帰敬式 | 21日より26日まではお逮夜後に、28日は晨朝後に行われます。なお27日は行われません。ご注意ください。 受式ご希望の方は、前日の午後4時までに宗務部へお申し込みください。冥加金は2万円以上(20歳以上)です。 |
おとき | 28日のみお昼におときを準備します。前日午後4時までにお申し込みください。 なお、27日のお昼には佛光寺の全国坊守会連盟の方々によります「あずきご飯」と「大根炊き」のご接待がございます。 |
記念講演のご案内
11月23日(水) 婦人会連盟記念講演 |
ご講師には大谷中学・高校前校長の真城義麿氏をお招きいたします。「いのち丸ごと認める世界に」という講題でお話いただきます。 |
11月27日(日) 御祥当報恩講記念講演 |
ご講師には乙武洋匡氏をお招きし、「みんな違って、みんないい」という講題でお話いただきます。氏は1976年、先天性四肢切断という障害をもって生まれられました。在学中には障害者としての生活体験を綴った『五体不満足』を執筆され、現在、テレビ等でご活躍されております。 |
平成23年春法要のご案内
4月2日(土)に下記の日程の通り、本山大師堂におきまして、宗祖親鸞聖人のご誕生法要が厳修されます。
本年のご誕生法要は、翌月の大遠忌法要を控えておりますことから、規模を縮小して厳修いたします。
つきましては、恒例の昼食接待はございませんのでご了承ください。
春法要次第 4月2日(土) | |
9:00(阿弥陀堂) | 帰敬式 |
10:00(大師堂) | 親鸞聖人ご誕生法要 |
10:40 | ご門主御親言 宗務総長挨拶 法話 |
御親教
門主 澁谷 惠照
本日は御正忌報恩講に、かくも大勢の皆様方にご参詣いただき、誠に有難く嬉しく思っております。この度は、門主として初めてお迎え致します御正忌報恩講となりましたこと、感無量の思い一入でございます。 去る九月一日をもちまして佛光寺第三十二代門主に就任致しまして、早三ヵ月が過ぎようとしています。そのなかで佛光寺の歴史と伝統を背負う責務の大きさを日毎に痛感致しております。その心境を、
み仏の教え伝ふる
身となりて
尊き衣まとふ今日かな
との歌に託しまして、私自身を見つめ直す誡めとしつつ、門末の愛山護法への篤い思いに後押しをされまして、お念仏の大道に歩みを進めさせていただいているところであります。 御正忌報恩講前日の十一月二十日には、伝灯奉告法要を勤修させていただき、阿弥陀如来さまのご尊前にご奉告致しました。この上は、五十年に一度の勝縁であります明年の佛光寺草創八〇〇年記念法要並びに宗祖親鸞聖人七五〇回大遠忌法要を宗門一丸となって厳修してまいりたいと存じます。
さて、今日の世相を見ます時、尊いはずの親子や家族のつながりは年々乾き切ったものになり、恐ろしい事件が相次いでおこり、大きな社会問題になっています。このような時にこそ、親鸞聖人がご自身のご生涯を通してお示し下さいましたお念仏のお心を、世に広く顕彰していく必要があると存じます。
その意味でも大遠忌法要は、まことの御法を弘める大切な機縁であると思っております。 ご開山親鸞聖人は、お浄土のお徳を『浄土和讃』に、
一一のはなのなかよりは
三十六百千億の
光明てらしてほがらかに
いたらぬところはさらになし
と詠んでおられます。お浄土に咲く一つひとつの花からは、無数の光明が放たれ、み仏の智慧の光は今現に隈なく私たちを照らしていてくださる、とおっしゃっています。そのみ光に照らされれば、どのような境遇にあろうとも、生かされて生きている喜びが湧き上がり、充実した人生が恵まれます。
混迷を深める世の中にあればこそ、私たちは常にみ仏の光の中にあることを喜び、人と人との絆を大切にお念仏につつまれた歩みを進めていくことが肝要かと思われます。
大遠忌法要まで余すところ半年となりました。ご参詣の皆様にはお体おいといの上、またとない勝縁にお遇い下さることを念じております。本日はようこそお参り下さいました。
(平成二十二年御正忌報恩講)
年頭のご挨拶
宗務総長 大谷 義博
新年に当たり宗祖親鸞聖人七五〇回大遠忌、並びに佛光寺草創八百年のご縁を頂き千載一遇と、かみしめ謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。
まず、二年数ヶ月に亘り皆様方に大変なご心配をおかけ致しましたが、ようやく昨年九月一日、待たれていた第三十二代ご門主に、恵照様がご着任いただきましたことを皆様と共にお慶こび申し上げたいと思います。
早速、去る十一月二十日「伝灯奉告法要」を営みましたが、ご門主様から時が時だけに極力、質素にしてほしいとのご要望をお受けして、要職者の方々に絞ってご参加いただき、控え目な奉告法要をお勤めさせていただきました。
引き続き、第七百四十九回目の御正忌報恩講に移り久々の御親修報恩講厳修となりました。御親教の中で
一一のはなのなかよりは
三十六百千億の
光明てらしてほがらかに
いたらぬところはさらになし
の「浄土和讃」をお引きになり混迷深まる世の中において人と人との絆を大切に、お念仏に包まれた歩みをお勧すめ下さいました。
昨年、御正忌報恩講中に報じられていたNHKの「クローズアップ現代」で生き生きと生きてますかのサブタイトルを付し、課長職の問題を取り上げていましたが、上からも下からもプレッレシャーのかかる中間職の悩みが特集されておりました。
グローバル化の中で経済不況、社会機構が大きく変化し人生の依りどころが見えなくなっている現代に伝統的なモノサシでは通用しない現実を踏まえて、精神的不安定を余儀なくされる企業の現場そのものが映し出されていました。
今を生きている私たちの板ばさみ人生をクローズアップしているように思われました。 いつのまにか管理社会の虜になってしまい精彩を失ってしまいやすい現状のことであります。
お引きなったご和讃に戻りますと、大地から生まれ出ずるいのちは、光明に照らされて、赤は赤、黄色は黄に輝くべく、生きとし生けるものにはたらく力、本願力のことでありましょう。ここに、ほがらかに、とありますのは、輝くすがたをいうのでしょう。しかしながら下からも上からもつぶされてしまいそうな、生き方にならざるを得ない時代、こじんまりと縮まり陰湿性だけが残ってしまうなら一一の花の根っこは根腐れしてしまうのでしょう。こうした現状に身を置き、いのちのなかに願われている本願のいわれを聞き開いていくことが宗祖親鸞聖人の大遠忌をお迎えする意味であります。
今年もよろしくお願いいたします。