おときレシピ
今月のおとき
Vol.74「彩蒔絵」
先日、大規模な国際会議の場で精進料理の紹介をさせていただく機会がありました。いま世界で精進料理が注目を集めているということで、私もいくつかの料理を作り、国内外のメディアの皆さまに召し上がっていただきました。
その際に用意したデザートがこちら。豆乳で作ったプリンのようなお菓子です。底にはわらびもちが入っており、その上には豆乳と胡麻で作ったプリン。さらにその上には麹から作った麹みつをかけます。麹みつは、日本を代表する調味料メーカーであるマルコメが米から作った糀甘酒を濃縮するという手法で生み出した発酵甘味料です。
さて、黒い豆の上に置いた金箔がまるで蒔絵のように見えるこのお菓子は名づけて「彩蒔絵」。漆器を英語でJapanと呼ぶことから、海外の方に紹介するのに相応しいお菓子として用意いたしました。
材料(作りやすい分量10人分程度)
【A】
- 豆乳…500cc
- 白すり胡麻…40g
- ねりごま…10g
【B】
- わらび餅の粉…40g
- 白玉粉…20g
- 砂糖…50g
- 水…240㏄
【C】
- イナアガー…5g
- 砂糖…40g
- 胡麻豆乳…400㏄
- 黒豆の蜜煮…10個程度
- 金箔…少々
- 糀みつ…100㏄
作り方
- Aを鍋に入れ中火にかける。沸騰したら火を止め、粗熱を取る。
- ガーゼでしっかりと漉して胡麻豆乳をつくり、完全に冷ましておく。
- Bを鍋に入れ、ゴムベラで玉がなくなるまでよくかき混ぜる。
- 中火にかけ、木べらで焦げ付かないように練る。沸騰したら弱火にし、更に5分ほど練る。
- 器の底にそっと流し込む。
- Cを鍋に入れ、砂糖、アガーが溶けるまでよく混ぜてから中火にかける。沸騰したら5の器の中、わらび餅の上にそっと注ぎ、粗熱がとれたら冷蔵庫で冷やし固める。
- 黒豆、金箔を上にのせ、糀みつ小さじ2をかける。
※イナアガーとは、寒天やゼラチンと異なり、透明度の高いゼリーの素。
(ワンポイント)
粉やアガーは冷たいときにしっかりと溶かしてから火にかけるとだまになりません。
【監修】青江覚峰
一九七七年、東京浅草生。浄土真宗東本願寺派緑泉寺住職。
カリフォルニア州立大学にてMBA取得。料理僧として料理、食育に取り組む。著書に『お寺ごはん』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。NHKをはじめテレビ、新聞などメディア出演も多数。
(機関紙「ともしび」令和5年7月号より)
このホームページは「本山佛光寺」が運営しています。ホームページに掲載されている画像の転用については一切禁止いたします。また文章の転載についてはご連絡をお願いします。