真宗佛光寺派 本山佛光寺

おときレシピ

今月のおとき

Vol.67「石川芋のオランダ煮」

 今回のお料理は石川芋のオランダ煮です。
 オランダ煮とは、食材を油で揚げたり炒めたりした後に、醤油、みりん、などの調味料で煮て味を付けた料理です。唐辛子を加えて煮ることも多く、甘辛い味付けが特徴です。油で揚げてから煮ると食材の外側と内側とで異なった食感や、噛みしめたときにあふれる出汁が楽しめます。
 この料理は江戸時代、長崎のじまに降り立ったオランダ人から伝わったものとも言われています。
 当時、日本にやってきたオランダ人はどんな気持ちだったでしょうか。飛行機も電話もネットもない時代です。国に戻れる保証だってありません。二度と家族に会えないかもしれません。
 それでも日本にたどり着いた彼らが、異文化の中でどうにかして自分たちの口に合う料理を作ってみたのでしょう。どんなところかも分からない日本にやってきて、なんとか日々を健やかに、充実して送りたいと工夫して生まれたもの。それがオランダ煮という名前で今に残っているのです。
 そう考えると、料理一つとっても壮大なご縁の中で暮らしていることをしみじみと感じられますね。

材料(2人分)

  • 石川芋…8個

【A】

  • 昆布出汁…1/2カップ
  • 醤油…大さじ1
  • 砂糖…大さじ1
  • 唐辛子…1本

作り方

  1. 石川芋の皮をむき、水に晒す。5分ほどしたらキッチンペーパーでよく水気を拭き取る。
  2. たっぷりの油を180度に熱し、芋を5分ほどげする。
  3. 鍋にAを入れ、火にかける。ひと煮立ちしたら2を加え、弱火で5分煮る。火を止め、そのまま冷ます。

(ワンポイント)
 写真では生の青唐辛子と赤唐辛子を使っております。辛さはお好みで調整をしてください。

【監修】青江覚峰
 一九七七年、東京浅草生。浄土真宗東本願寺派緑泉寺住職。
 カリフォルニア州立大学にてMBA取得。料理僧として料理、食育に取り組む。著書に『お寺ごはん』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。NHKをはじめテレビ、新聞などメディア出演も多数。

(機関紙「ともしび」令和4年10月号より)

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