おときレシピ
今月のおとき
Vol.65「ぴりからこんにゃく」
今回ご紹介するのは、ずいぶんと地味な料理です。しかし、地味でありながら同時に「滋味」を楽しむ料理でもあります。
一言で言えば、こんにゃくの水分が抜けるまでじっくり火を加えるだけ。手順としてはそれだけの単純な料理ですが、水分が抜けた後のこんにゃくは、これがこんにゃくかと思うほどの旨味と歯ごたえ、そしてなんとも言えぬ滋味が残ります。
こんにゃくの味を想像してみてください。食感は思い出せても、味ははっきりとは思い出せない人も少なくないのではないでしょうか。
それもそのはず。こんにゃくは、ほぼ水分でできている食材です。
その水分をとばしてしまうと、こんにゃく本来が持つ旨味や食感のみが残ります。すると、まるでお肉のようなしっかりとした噛みごたえと滋味が残ります。そして、もともと持っていた水分が抜けたところに醤油やみりんが染み込み、じっくりと火を通した香ばしい香りも相まって、実に味わい豊かな一品に生まれ変わるのです。ぜひお試しください。
材料(2人分)
- こんにゃく…1枚(300g)
- ごま油…大さじ1
【A】
- 砂糖…大さじ1
- 濃口醤油…大さじ1
- 酒…大さじ1
- みりん…大さじ1
- 赤唐辛子の輪切り…1/2本分
作り方
- こんにゃくを2センチ角に切り、格子柄に飾り包丁を入れる。
- 鍋に湯を沸かし、こんにゃくを入れ、3分茹でる。茹でたらザルにとって湯切りする。
- 熱したフライパンに2を入れ、3分乾煎りする。
- ごま油を回し入れ、弱火でじっくりと炒める。
- Aを加えて中火にする。混ぜながら水分がなくなるまで煮詰める。
- 水分がなくなったらごく弱火にし、はじめの大きさの1/6程度になるまで焦げないように炒め続け、盛り付ける。
(ワンポイント)
6の行程が難しい場合は130度のオーブンなどで1時間程度焼いても構いません。
【監修】青江覚峰
一九七七年、東京浅草生。浄土真宗東本願寺派緑泉寺住職。
カリフォルニア州立大学にてMBA取得。料理僧として料理、食育に取り組む。著書に『お寺ごはん』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。NHKをはじめテレビ、新聞などメディア出演も多数。
(機関紙「ともしび」令和4年8月号より)
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