おときレシピ
今月のおとき
Vol.60「大根と栃尾揚げの薄葛炊き」
寒い時期には、何か温かいものを食べて体の中からほかほかになりたいものです。真夏の熱いときに、一口の冷たい水で生き返ったような気持ちになるように、寒い季節には一杯の温かい汁物が何よりのごちそうになるものです。
さて、鍋や椀物のように料理そのものが温かいことも大事ですが、もう一つ、食材自体のの保温性にも意識を向けてみたいものです。大根や蕪など水分を多く含む食材は保温性が高く、温まりやすく冷めにくい。そのため、お腹の中に入っても長く温度を保ってくれます。さらに、汁にとろみをつけることでも保温性を高めることができます。片栗粉でもいいですが、ここは贅沢に漢方にも使われる葛を使った薄葛仕立てに。
寒い外から帰ってきたときなど、これがあるだけで体も心もポカポカになります。こたつや厚着だけでなく、体の中から温めてくれる料理で風邪に負けない元気を取り入れましょう。
材料(2人分)
- 大根…2センチ程度
- 栃尾揚げ…1/2枚
- 水菜…5センチ程度
- 柚子の皮…少々
- 葛粉…大さじ1
- 米の研ぎ汁…適量
【A】
- 昆布出汁…500cc
- みりん…小さじ1.5
- 薄口醤油…小さじ1.5
- 塩…ひとつまみ
作り方
- 大根は2センチ厚さの輪切りにし、皮を向いて半月に切る。
- 米の研ぎ汁で竹串が通るくらいまで茹でる。
- 栃尾揚げを食べやすい大きさに切り、大根とともにAで煮る。
- 水菜を5センチ程度に切り、さっと出汁にくぐらせてから大根、栃尾揚げ、千切りにした柚子の皮とともに盛る。
- 残った出汁に葛粉と大さじ1の水を合わせたものをとき入れ、透明になるまで中火にかけてから4にかける。
(ワンポイント)
七味唐辛子を一振りすると香りも立ちますし、温かみも増します。
【監修】青江覚峰
一九七七年、東京浅草生。浄土真宗東本願寺派緑泉寺住職。
カリフォルニア州立大学にてMBA取得。料理僧として料理、食育に取り組む。著書に『お寺ごはん』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。NHKをはじめテレビ、新聞などメディア出演も多数。
(機関紙「ともしび」令和4年1月号より)
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