真宗佛光寺派 本山佛光寺

おときレシピ

今月のおとき

Vol.58「蕪蒸し」

 「かぶのフルコースだ!」と、言われたこともあるこの料理。蕪をまるごと、上から下まで全部使っています。
 実の部分を皮ごとすりおろし、それを絞って出た汁をあんかけの餡に、残ったせんの部分は蕪のまんじゅう部分に。そして葉っぱはおしたし、さらに茎の付け根の部分は蒸して、お浸しとともに蕪蒸しの上にあしらいます。
 使い切る。これがこの料理のテーマです。
 フードロスやSDGsという言葉が言われるようになった昨今。メディアでは、をなくすことがまるでりのように扱われていますが、こういった古来より伝わる料理に目を向けると、食材をまるごと使い切るものがたくさんあります。
 日本の風土にかなって作られた、昔から伝わるフードロスゼロの料理。ぜひご家庭でもお試しください。

材料(2人分)

  • 蕪…2個(200g)
  • 長芋…50g
  • 片栗粉…大さじ1
  • 塩…ひとつまみ
  • 薄口しょう油…少々
  • き片栗粉(片栗粉を同量の水で溶く)適量

作り方

  1. 蕪をよく洗い皮ごとおろし、ざるで水気をよくしておく(a)。この水気は後で使うのでとっておく(b)。茎の付け根の部分は泥をよく落としておく(c)。
  2. ボウルにa、おろした長芋、塩ひとつまみ、片栗粉を加えよく混ぜる。
  3. 耐熱茶碗に2とcを入れ、蒸し器で20分蒸す。
  4. 蕪の茎、葉を熱湯にくぐらせ、ザルに取ったら軽く塩(分量外)をふっておく。
  5. 鍋にbをいれて中火にかける。沸騰したら弱火にし、丁寧にあくを取り、薄口しょう油を味を見ながら加え、水溶き片栗粉でとろみをつける。
  6. 蒸しあがった3に5のあんをかけ、4とcを飾る。

(ワンポイント)
 蒸す際、時間が短すぎると中まで火が通らず、長すぎるとベチャベチャの食感になります。金串で中の温度を確認し、ちょうどいいあんばいを見極めましょう。

【監修】青江覚峰
 一九七七年、東京浅草生。浄土真宗東本願寺派緑泉寺住職。
 カリフォルニア州立大学にてMBA取得。料理僧として料理、食育に取り組む。著書に『お寺ごはん』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。NHKをはじめテレビ、新聞などメディア出演も多数。

(機関紙「ともしび」令和3年11月号より)

このホームページは「本山佛光寺」が運営しています。ホームページに掲載されている画像の転用については一切禁止いたします。また文章の転載についてはご連絡をお願いします。

ページの先頭へ