真宗佛光寺派 本山佛光寺

おときレシピ

今月のおとき

Vol.42「里芋のおろしあんかけ」

 今回のお料理は里芋のおろしあんかけ。里芋を一度煮て、その後、げてからあんかけにします。の味わいと油のコクと香ばしさが存分に楽しめ、腹もちもよい一品です。
 この料理を考えるとき、私は先人のたゆまぬ努力を垣間見ることができるように思うのです。
 里芋の煮物自体はとてもシンプルでスタンダードな料理です。ある意味それで完成していると言ってよいでしょう。それなのに、その完成形である煮物に、あえて粉をうって揚げるという一手間をかける。
 さて、食べてみれば確かにおいしい。でも、さすがに油っこい。ならば大根おろしも加えてさっぱりさせてみようか。
 なんてことを、どこの誰が考えたのかはわかりませんが、食べることに関する人間のくなき探求心がうかがえます。
 思えばどんなものでも、こうして先人が知恵を絞って作り上げてくれた豊かな食文化に、私たちは生かされ、心と体を育まれているのですね。この料理がこの先さらなる進化を遂げるかもしれないと思うと、未来の食卓に夢がふくらみます。

材料(2人分)

  • 里芋…4個
  • 大根…1/6本
  • 片栗粉…小さじ2

【A】

  • 昆布だし…2カップ
  • しょうゆ…大さじ2
  • みりん…大さじ2

【B】

  • 昆布だし…1.5カップ
  • しょうゆ…大さじ2.5
  • みりん…大さじ3

作り方

  1. 里芋はきれいに洗って皮をむき、水をひたひたになるまで入れた鍋に入れて中火で串がすっと通るまでゆでる。
  2. 一度ゆで汁を流し、Aを加えて15分煮て、火を消して冷めるまでおいておく。
  3. 揚げ油(分量外)を170℃に熱し、2の里芋に軽く片栗粉をまぶしたものを素揚げにする。
  4. 大根は皮をむいてすりおろし、ザルにとって軽く水気を切る。
  5. 鍋にBを入れて中火にかける。沸騰したら水溶き片栗粉を入れ、とろみを付けた後4を入れてひと煮たちさせ、大根おろしを加え、盛り付けをする。お好みでおひたしにした小松菜をのせる。

(ワンポイント)
 里芋を揚げるときはなどをつかい、薄く片栗粉をつけるといいでしょう。

【監修】青江覚峰
 一九七七年、東京浅草生。浄土真宗東本願寺派緑泉寺住職。
 カリフォルニア州立大学にてMBA取得。料理僧として料理、食育に取り組む。著書に『お寺ごはん』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。NHKをはじめテレビ、新聞などメディア出演も多数。

(機関紙「ともしび」令和2年4月号より)

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