おときレシピ
今月のおとき
Vol.41「雷豆腐」
地震・雷・火事・親父といえば、怖いものの代表格。実は、「親父」は父親ではなく、台風のことだったとご存じですか?
「大山風」と書いて「おおやまじ」と読んでいたのが変化して、いつの間にか「親父」になったようです。なるほど、地震、雷、火事ときたら、次は台風や強風が並ぶほうが説得力があります。
人の力の及ばない自然の力の凄まじさを恐れ、驕りを退けることを旨とした、昔の人々の暮らしぶりがしのばれます。
さて、雷豆腐という料理があります。使うのは、豆腐と揚げ玉、油と酒としょうゆだけの、とても素朴な料理です。熱した油に豆腐を入れたとたん、バリバリと雷のような音をたててはねますが、怖がらず、怒らずにしばらく炒めれば、おいしくなじみます。
材料(2人分)
- もめん豆腐…1/2丁
- ごま油…大さじ2
- 酒…大さじ2
- しょうゆ…大さじ1
- 揚げ玉…20g
- 青のり…少々
作り方
- 鍋にごま油を熱し、豆腐を入れて木べらでくずしながら炒める。
- 油が回ったら酒、しょうゆで味付けし、と揚げ玉を加え混ぜ、ひと炒めして火から下ろす。
- 器に盛り、青のりをふる。
(ワンポイント)
油がはねて熱くとも、怒る相手はそこにいる自分しかいません。
【監修】青江覚峰
一九七七年、東京浅草生。浄土真宗東本願寺派緑泉寺住職。
カリフォルニア州立大学にてMBA取得。料理僧として料理、食育に取り組む。著書に『お寺ごはん』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。NHKをはじめテレビ、新聞などメディア出演も多数。
(機関紙「ともしび」令和2年3月号より)
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