真宗佛光寺派 本山佛光寺

おときレシピ

今月のおとき

Vol.39「おぼろ昆布のお澄まし」

 寒くなってくると、たんに温かいしるものが恋しくなるもの。そんなときに便利なのがこのおすましです。
 今回の料理は、事前にだしを取ることもなく簡単に作ることができます。
 だしを取るというのは、料理においてとても大切にされていることです。おいしいだしを取るために、いい昆布やしいたけを探すこともあります。
 でも考えてみたら、それは本末転倒ではないかと思うのです。料理は、もともとだしありきだったのでしょうか。そうではありません。作物がとれてもすぐに食べきれずに傷んでしまうことがある。そこで、長期保存のために乾物にしたものを戻すために水につけておくと、香りや味ががうつって素晴らしい味わいになった。これがだしの起源です。
 だしは、言わば副産物なのです。副産物だからといっておろそかにせず、工夫をこらして活用していこうという考えが、料理のかなめともなるだしを生んだのですね。
 この発想は、昨今話題に上がるフードロスを考える一つの指標にもなりそうです。

材料

  • 水…400cc
  • とろろ昆布…ひとつまみ
  • 薄口醤油…小さじ1
  • みりん…大さじ1
  • 三つ葉…適量

作り方

  1. 鍋に水を入れ、中火にかける。沸騰したらみりんを入れ、火を止めてから醤油を加える。味見をして薄ければ好みで塩(分量外)を加える。
  2. お椀にとろろ昆布を入れ、1を注ぎ、刻んだ三つ葉を散らす。

※フードロスとは、売れ残りや消費期限切れの食品などが廃棄されてしまうこと。

(ワンポイント)
 今回はだし無しで作っておりますが、だしで作ってももちろん美味しいです。

【監修】青江覚峰
 一九七七年、東京浅草生。浄土真宗東本願寺派緑泉寺住職。
 カリフォルニア州立大学にてMBA取得。料理僧として料理、食育に取り組む。著書に『お寺ごはん』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。NHKをはじめテレビ、新聞などメディア出演も多数。

(機関紙「ともしび」令和元年12月号より)

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