おときレシピ
今月のおとき
Vol.23「お葬式うどん」
「お葬式のときに食べるお料理なんですよ」と、友人がおばあさんから聞いたレシピを教えてくれました。いつ起こるかわからないのがお葬式。一年を通じて手に入る乾燥の落花生は、とても重宝なのだそうです。
さて、その地方ではお葬式に備えて落花生を常備するそうですから、そこに住む人々は落花生を目にする度にお葬式を連想してしまいそうです。こんな言葉があります。
「無常を観ずるは 菩提心の一なり」
「無常を観ずる」というのは、死をありのままにみつめるということ。「菩提心」とは、阿弥陀仏のはたらきによってもたらされた悟りたいという心のこと。必ず訪れる「死」をまっすぐに見つめることが、幸せになりたい、念仏をしたいという菩提心を起こす第一歩なのだと教えています。死は本来身近なものでありながら、遠いものだと思いたいという私たちに、無常を感じる機会を落花生が届けてくれるのかもしれません。
材料(2人分)
- ピーナツ(殻付き)…120g
- 昆布と椎茸の合わせ出汁…200cc
- 醤油…大さじ2
- みりん…大さじ1
- 三つ葉…少々
- 海苔…少々
- うどん…2把
作り方
- ピーナツを塩ゆでし、殻から取り出す。
- 1と出汁、醤油味醂をすり鉢やミキサーでよくすりつぶし、冷蔵庫で冷やしておく。
- うどんを茹でて冷水で冷やし、盛り付ける。好みで海苔や三つ葉を散らす。
(ワンポイント)
裏ごしをするとさらに滑らかにいただくことができます。
【監修】青江覚峰
一九七七年、東京浅草生。浄土真宗東本願寺派緑泉寺住職。
カリフォルニア州立大学にてMBA取得。料理僧として料理、食育に取り組む。著書に『お寺ごはん』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。NHKをはじめテレビ、新聞などメディア出演も多数。
(機関紙「ともしび」平成30年5月号より)
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