おときレシピ
今月のおとき
Vol.21「お寺のちらし寿司」
お寿司のご飯のことを「シャリ」といいます。この「シャリ」は漢字で書くと「舎利」。もともとは、サンスクリット語の「シャリーラ」の音写で、身体、構成要素を意味しているのです。仏教においては主に仏さまや、聖者の遺骨をさすことがほとんどです。おそらく昔の方は火葬された遺骨の尊さ、白さに因んで、白米をそのように呼ぶことになったのはないでしょうか。
そう考えると、お寿司屋さんが「舎利」と「生もの」をにぎって出し、お客さんが「ここのシャリは美味しい」などという光景はちょっと可笑しくみえるものです。
また、お寿司はお寺と切っても切れない関係にあります。元来、冠婚葬祭のときに使われることの多いお寿司ですが、昔は押し寿司が多かったようです。いっぺんにたくさん作って切り分けて提供される押し寿司は、沢山の方が一堂に会する法事の際などにうってつけだったようですね。ご飯にも具材にも味付けがなされており、冷たいままで美味しく戴くことが出来る。まさに冠婚葬祭にもってこいのお料理だと思います。
材料
- 米…1合
- 昆布…3センチ角
- 菜花
- 塩…ひとつまみ
【A】
- 米酢…大さじ2
- 砂糖…大さじ1強
- 塩…小さじ1.5
【B】
- 人参…5センチ
- 舞茸…1パック
- 油揚げ…1枚
【C】
- 醤油…大さじ1
- 砂糖…大さじ1
- 酒…大さじ3
【D】
- 豆腐
- 砂糖…大さじ1
- 水…50cc
- 塩…少々
- クチナシ…1個
作り方
- 昆布を入れ、ご飯をかために炊く。事前によく合わせておいたAをご飯にかけ、うちわで冷ましながらさっと混ぜる。
- Bをすべてみじん切りにし、小鍋にCとともに入れ、水気がなくなるまで煮る。
- 菜花を塩ひとつまみを加えた湯で二分ほど茹で、冷水にとっておく。
- Dをフライパンに入れ豆腐をヘラで崩しながら水気がなくなるまで中火で炒める。
- 材料の粗熱が取れたら酢飯の上に盛り付ける。
(ワンポイント)
季節に合わせて様々な具材をのせてお楽しみください。
【監修】青江覚峰
一九七七年、東京浅草生。浄土真宗東本願寺派緑泉寺住職。
カリフォルニア州立大学にてMBA取得。料理僧として料理、食育に取り組む。著書に『お寺ごはん』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。NHKをはじめテレビ、新聞などメディア出演も多数。
(機関紙「ともしび」平成30年3月号より)
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