おときレシピ
今月のおとき
Vol.17「車麩の角煮もどき」
日本よりも、中国のお寺で多用される「もどき料理」。中国では普茶料理と言いますが、普茶とは、「普(あまね)く大衆と茶を供にする」事を意味し、身分の上下を取り払い、皆で和気あいあいと食事をすることを指します。
普茶料理の特徴は、1つのテーブルを4人で囲み、大皿に盛られた料理を各自が取りながらいただくというスタイル。今では日本でもおなじみのこのスタイルは、江戸時代の初期に隠元によって日本にもたらされたものです。
さて、おもてなしの心を大切にする普茶料理の中でも、特徴的なのがこの「もどき料理」。本来の食材とは異なるもので、味や食感、見た目を似せて作ります。今回は車麩を豚の三枚肉に見立てて作る角煮もどきをご紹介します。油を多めに使い、しっかりと味をつけることで、まるで豚の角煮のように濃厚な味わいに仕上がります。
材料(2人分)
- 車麩…大2個
- 昆布出汁…適量
- じゃがいも…小2個
- 人参…50g
- サラダ油…大さじ1.5
- 練がらし…好みで
【A】
- 砂糖…大さじ3
- 醤油・みりん…各大さじ2
【B】
- 醤油…大さじ1
- みりん…大さじ1
作り方
- 車麩は昆布出汁に漬け、水気をしっかりと絞って4等分に切る。
- じゃがいもは皮を剥き、一口大に切る。人参は皮付きのまま一口大に切る。
ともに水から煮て柔らかくなるまで茹で、Bを加えさらに5分煮て火を止める。 - フライパンにサラダ油をひき、中火にかける。
車麩を入れ両面に焦げ目がつくまで焼く。 - 弱火にし、よく混ぜたAをスプーンで少しずつかけながら全体になじませ、2を加えて絡める。
- 器に盛り、練がらしを添える。
(ワンポイント)
Aをかけるときは焦げつきやすいので短時間に丁寧に行ってください。
【監修】青江覚峰
一九七七年、東京浅草生。浄土真宗東本願寺派緑泉寺住職。
カリフォルニア州立大学にてMBA取得。料理僧として料理、食育に取り組む。著書に『お寺ごはん』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。NHKをはじめテレビ、新聞などメディア出演も多数。
(機関紙「ともしび」平成29年10月号より)
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