おときレシピ
今月のおとき
Vol.92「けんちんうどん」
けんちん汁にうどんを入れた「けんちんうどん」は一品で様々な栄養が取れる、いわば総合栄養食。「けんちん」という楽しげな名前は、鎌倉の古刹こ「建長寺」がなまったものとも、中国の精進料理である普茶(ふちゃ)料理の一種である「巻繊(けんちゃん)」が日本語になったとも言われています。
さて、九州を始め様々な地方に「けんちん」や「けんちゃん」と呼ばれる郷土料理があります。耳慣れない響きに、由来は? 歴史は? と想像がふくらみますが、細かいことは抜きにして、美味しく作りやすく栄養もあるということが、人々によく親しまれたということでしょう。
仏教においても、教義の細かいところにこだわるよりもまず、人々に寄り添い、親しまれるものであることを大切にしたいと思います。
材料
- 大根…30g
- にんじん…30g
- ごぼう…20g
- こんにゃく…30g
- しいたけ…1枚
- 木綿豆腐…1/4丁
- サラダ油…大さじ1/2
- 塩…少々
- 昆布出汁…2カップ
- 醤油…大さじ1
- 酒…大さじ1
- うどん…2人分
作り方
- 大根、にんじんはいちょう切りに、ごぼうはささがきに、こんにゃくは短冊に、しいたけは千切りに切りそろえ、油を引いた鍋で中火で炒める。
- 全体がしんなりとしてきたら塩を入れ、昆布出汁を加える。
- 沸騰したら弱火にし、10分ほど煮てから醤油、酒で味を調える。このときに崩した豆腐を加える。
- うどんを指定の時間で茹でる。
- 盛り付けをし、上に刻んだ大根の葉をちらす。
(ワンポイント)
豆腐を崩すときは手でちぎるようにいれるが、見た目を気にする人はさいの目に切っても良い。
【監修】青江覚峰
一九七七年、東京浅草生。浄土真宗東本願寺派緑泉寺住職。
カリフォルニア州立大学にてMBA取得。料理僧として料理、食育に取り組む。著書に『お寺ごはん』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。NHKをはじめテレビ、新聞などメディア出演も多数。
(機関紙「ともしび」令和7年4月号より)
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