真宗佛光寺派 本山佛光寺

時事法話

難度海

2021年1月

 惠照様が還浄された。佛光寺第三二代。真承上人に先立たれるなど波乱に満ちた御生涯であったが、いつもにこやかであられた。その慈愛あふれた眼差しで、私たちを仏の子としてご覧になってくださった。佛光寺がこうして今ここにあるのも、惠照様のおかげと、どれだけ感謝してもしきれない。佛光寺にとどまらず、十劫の昔より連なるお念仏の歴史の象徴として、ご本願の温もりを伝え続けてくださった。そして、今度はあなたたちがその責務を全うしてくださいねと、静かにその歴史へと還っていかれた。
 密葬の御挨拶の中で、第三三代を継がれた真覚門主は、そのバトンのしるしとして、「みんな仲良くね」という惠照様の常のお言葉を紹介された。死をご縁として、普段のお言葉が生き生きと鮮やかに響き始める。これは、身体の役目を終えられても、先人が願いに生きておられる証であり、無量の寿そのものである。
 惠照様の歩まれた跡を慕い、我も今こそと、お念仏の歴史に喜んで加わる覚悟こそ、本願一実の大道であろう。それは、安心してこのいのちを尽くしていける無碍の成仏道である。
 いのちを懸けるべきものとの出遇いこそ、人生の幸せである。その出遇いの感動を、いかに次世代へ繋げていくべきであろうか。鬼滅の刃は、いのちを懸けて鬼から人々を守らねばという、数百年を貫く願いに生きる物語である。今の若い人たちも、いのちを懸けて責務を全うすべきものに、本当は飢えているのではないだろうか。

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